柴垣敏久が考える、報連相が不要な理由


4月以降、大学を卒業した新入社員が全国の企業に入ります。すると、大学生気分が抜けていないこともあり、研修担当の講師や教育係の先輩などから叱責を受けることも少なくありません。その中で結構多いのが、報連相の徹底です。

柴垣敏久さんは、報連相は確かに大事なことであると認めながらも、報連相はいらないのではないかと極論のようなことを考えます。なぜ報連相が不要であると考えているのか、3つの理由をご紹介します。

理由①報連相は自分で考える力を失わせる

報連相は、上司が適切な判断を下すために必要であると言われ、部下が勝手に動いて勝手に結果を出そうものなら、報連相がない!と叱責されます。上司としては管理がやりにくいから一挙手一投足すべてを報告しろと言いたくなる気持ちもわかると柴垣敏久さんは理解を示します。

しかし、会社は指示待ち人間を嫌い、自分で行動するように求めるので、矛盾した部分も含んでおり、柴垣敏久さんはこの点を問題視。ビジネスはやり切るか全くやらないかを徹底すべきだと柴垣敏久さんは考えており、報連相を求める以上は指示待ちも多少はやむを得ないのではないかと考えます。勝手に動けば怒られ、待っていても怒られるという状況は、単に部下をサンドバックにして、家庭のイライラをぶつけているようなもの。

このような上司に限って、自分は100点の仕事をしており、部下に足を引っ張られていると思い込んでいます。実際は逆で、その上司は0点の仕事しかしておらず、100点を出そうと頑張る部下の足を引っ張っているだけなのです。報連相を重視する人ほどこの病気にかかっており、非常に厄介です。

理由②具体的な報連相は出しにくい

柴垣敏久さんは、具体的な報連相が出せるのであれば不要ではないのではないかと考えます。報告や連絡、相談をすべて行わせようとしたら非効率を極めることに。どんな時に報告をするのか、連絡はどこで行うのかを事前に決めておきます。でも、ここまで報連相のことを考えて行動できる上司は実はほとんどおらず、なんでもかんでも報連相をやられてうんざりする人も。

たくさんの報連相に対し、それくらい自分で判断しろよと部下に小言を言いたくなる人、実際に言っている人はあまりサラリーマンとしての能力が高くない人であると柴垣敏久さんは考えます。たくさんの報連相がある背景には、少し報連相を怠っただけで叱責を受け、面倒なことになったという部下のトラウマ体験があるからです。それを棚に上げてしまう時点で、きつい言葉で言えば無能ということになります。

柴垣敏久さんが以前勤めていた会社でも、報連相を求めておきながら自分の頭で考えて行動しろとめちゃくちゃなことを言う上司がいたそうです。柴垣敏久さんからすれば、この上司のために時間を使わされるのではっきり言って邪魔だったのですが、面と向かって邪魔というわけにはいきません。そこで柴垣敏久さんは具体的な報連相のルールを示してほしいと伝えます。その時上司は、そんなもんぐらい自分で考えろと言い放ったそうです。

この発言がその会社を辞めるきっかけになったそうで、実際に退職する際には会社のお偉いさんに残念がられるほど、周囲は退職を惜しんだとのこと。その上司も同じように退職を惜しんだというホラーのような話もあったそうで、辞めて本当に良かったとその時実感したのだとか。

理由③勝手に同僚同士で報連相が行われる

柴垣敏久さんは上司にいちいち報連相をしなくていいと考える一方、同僚同士であれば報連相は行っていくべきだと考えます。例えばプロジェクトを組む際、同僚はチームの一員なので、チームとして一緒の方向性で動く際に報連相が必要になります。サッカーや野球もそうですが、強いチームは連携がうまく、待つことをしません。これをすればこうするというのがわかっているからであり、その先を読むことができます。

実際に先を読むには同僚の傾向なども理解しなければ難しく、話し合いを重ねていく中でどのような働き方、仕事の接し方をすればいいかが見えてきます。話し合いが報連相になっているとすれば、効率はいいのではないかと柴垣敏久さんは考えるとともに、いかに上司が不要であるかが明らかに。上司は責任だけとってくれればよく、まさに管理職としての仕事を全うすればいいのです。

上司がすべてを判断するなんてことは難しく、社長もいる以上、全責任を負うような判断はできません。もっといえば、責任なんてとりたくないと上司は考えているでしょう。だから、報連相を求めて場合によっては部下の責任にしちゃうケースも。上司もまた平社員目線から抜け出せておらず、状況としては大学生気分が抜けない学生に近いものがあります。

どういう時に言うべきか、言わないべきかは結局のところ、対人関係で折り合いがついているかどうかにかかっていると柴垣敏久さんは考えます。対人関係でうまくいっていないから、報連相のトラブルが起きるのです。


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