大きなフロアで数百人単位で働く人がいれば、1組か2組かは職場恋愛のカップルが誕生しても何ら不思議ではありません。ここは出会いの場ではないんだぞ!と怒りを覚える方もいますが、よくよく考えれば、仕事場でしか異性と接する機会がない人も少なくありません。仕事ばかりをやっていく中でプライベートの時間が作れないと出会いの場は当然限られ、職場恋愛につながるのも頷けます。
柴垣敏久さんはこれまでに職場恋愛で結婚をしたケース、職場恋愛から大変なことになったケースなど様々なケースを知っているので、一概にいいとも悪いともいえない立場です。改めて職場恋愛の功罪について考えてみると、結構大変なことが多いことに気付かされました。
職場恋愛は会社からすれば、勝手に賭けられたようなもの
柴垣敏久さんが考える職場恋愛は、会社側からすれば勝手にギャンブルをさせられているようなものだと考えます。無事に結婚し、子供まで生まれた場合、たとえ奥さんが会社を辞めることになったとしても、会社の忠誠心が高い旦那さんが残ることになり、とても微笑ましい雰囲気が流れます。奥さんも働き続けるような場合でも同じで、しっかり働いて家族を養うという意識につながっていくことでしょう。
ところが、職場恋愛が失敗した場合は悲惨です。元カノと元カレが同じフロアに同居するので、互いの嫌な部分が見えてしまい、良い部分を見つけられずに仕事をすることになります。嫌な上司や苦手な上司は嫌な部分しか見えないから嫌いもしくは苦手という感情が出てきます。微笑ましいムードかギスギスとした空気か、全く異なるので、会社からすればいい迷惑です。
そのために社内恋愛禁止を掲げるケースも多く、柴垣敏久さんもそのルールに関して否定する気はありません。ただ社内恋愛禁止は少しやりすぎで、恋愛はしてもいいけど、会社の業務に支障を与えるようなことはするなと釘を刺す程度でいいのではないかと提案します。
職場でバレないようにする配慮さえあれば問題なし
職場恋愛をせざるを得ない状況になった場合、最大限バレないようにする配慮が必要です。例えば一緒に旅行に出かけ、アクシデントで婚前旅行がバレてしまうことがありますが、この場合はできるだけバレないようにしようという配慮があるので、そこまで問題はありません。ところが、同棲していたとして、家から会社まで常に一緒に行動を共にした場合は、明らかにバレバレで、嫌な感情を同僚に抱かせる可能性があります。
例えば、時間差で家を出て、利用する駅も別々にするという配慮をすれば、そこまでの配慮をしてくれていたんだと思ってくれるでしょう。中には、芸能人じゃあるまいし…と思う人もいるでしょうが、そのような人はどんなことに対してもケチをつける人物なので、気にする必要はないと柴垣敏久さんは解説します。職場恋愛は結局職場への配慮が重要であり、その配慮なしには成功しません。
柴垣敏久さんの知り合いも職場恋愛で結婚し、子供と一緒に幸せに暮らしているのだとか。その知り合いも相当バレないように気を遣っていたようで、結婚報告をする際、同僚たちが大きな声をあげて驚き、いつから付き合ってたんだ!と詰問してきたそうです。それだけバレておらず、周りにもその雰囲気すら出していなかったそうで、いまだに同僚や上司にいじられるのだとか。でも、いじられるぐらいであれば、うまくいったと見るべきです。
上司を味方にしてしまえば九分九厘うまくいく
職場恋愛を成就させて結婚まで駒を進めたい場合には、上司の協力が必要不可欠です。その理由として、日本の社会は根回しさえしておけば咎められることがないという文化が関係します。上司も誰も知らなかった場合、職場恋愛なんてことをしていたのか!という怒りに対し、上司が助けてくれない可能性があります。しかし、上司も知っていたら事実上の共犯となり、俺の顔に免じて許してくれという言い方で怒りを鎮めてもらうことができます。
加えて、上司に報告する以上は失敗は許されません。上司に報告してから別れた場合、その評価はだいぶ落ちるでしょう。いわば賭けですが、うまくいけば上司に仲人をお願いするなど、色々なことが一気に進みます。うまくいかなければ自分自身が退職に追い込まれるような展開も。それだけ職場恋愛は本来リスキーなものであり、そんな簡単なものではないのです。
職場恋愛は何ら問題はないですが、どんどん積極的にやっていくべきだ!と太鼓判を押すほどでもありません。やるからには最大限の配慮を示し、周囲を巻き込むときは結婚まで確実に決めることが全てです。恋愛を禁止にするのは仕事への混乱が大きいから禁止にするので、混乱が起きなければいいのです。そして、混乱が起きないように配慮をすることが重要であり、そこまで考えられる人が職場恋愛をしても許されるのでしょう。